2009年度版・西表島の自然図鑑
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西表島の8月 その1 「干潟に現れる、カニの大行進」

船浦干潟に現れる、ミナミコメツキガニの大群■薄い三日月が空に上がっている今日この頃、潮の満ち引きがとても早い日が続いています。それだけではなく、潮の入り込む汽水域の水面変動の大きさに驚きます。そして、それに伴い生物の動きもありありと感じる事ができる事があります。

潮の引き始めた干潟に、無数のカニが出現します。そのカニの数は、徐々に増え始め百匹はいるのではないだろうかと思うほどの、集団も現れます。ぞろぞろと歩く様子は、まるでカニの軍隊が行進をしているかのようです。

名前は、ミナミコメツキガニ。英名はソルジャークラブとも言います。集団で現れるという事には、天敵となる鳥から一個体ごとが狙われにくいという効果があります。しかし、彼らは決して群集性をもって集まっているわけではなく、たまたま食事の時間が同じという訳なのです。

食事をしに現れるミナミコメツキガニ、彼らの大切な栄養分というのは、実は砂の中に隠されています。潮が引いた後には、砂の表面に薄い有機物の層がつもります。これはデトリタスと言い、海中を浮遊していた生物由来の物質の破片、イコール有機物であります。

ハサミで機用に口へと運び、有機物をこしとって吐き出します。この動作によって、小さな砂団子ができあがります。そのうち、干潟一面が砂団子で一杯になります。裸足で歩くと、フワフワしていて”サク”という音を立てます。風が吹くと、砂粒の間を風が通り、”サワサワ”と音が不思議と聞こえてきます。

ミナミコメツキガニは、潮の引き始めから、潮が徐々に満ちる時間帯に見られます。天気の良い日や気温の高い日などに多く出現するように感じます。観察するときは、遠目からジッと観察し、それから急いでカニの下へと駆け寄ります。

ミナミコメツキガニは、素早く地中へと姿を消します。一瞬の動きには、ハサミで砂を掘り起こしながら、身体をひねり、ねじ穴を開けるドリルのような動きになります。

捕まえてみると、手のひらの上で、泥を掘り起こそうとする動作を捕りながら、前に後ろにうろうろとします。足がクモのような付き方をしているため、横歩きだけではなく、前後にも歩けます。前に向かって歩くというのは、カニの概念を越えています。

西表島の干潟の代名詞的な存在なミナミコメツキガニ、ツアー中で観察できる事もあります。潮の満ち引きは、単なる海水の動きだけではなく、生き物達のリズムに関係しているのだと、このカニから学ぶ事ができます。

2009年7月28日(火) 木下


 

■ミナミコメツキガニ写真集(8月2日更新)
写真をクリックすると大きくなります。ミナミコメツキガニの色々な姿をお伝えします。

 
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