第21回「野生生物と社会」学会大会

 

去る11月21日から24日までの4日間において、

第21回「野生生物と社会」学会大会が

琉球大学(那覇市)にて開催されました。

 

11月後半の連休であったため、

会社としては正直書き入れ時であったわけでありますが、、、

 

「こんな機会は滅多にない!許す!行って来てよし!」

と、うちの社長さん。

 

この学会、もともとは

「野生生物保護学会」

という名称だったそうです。

 

学会での議論を重ねていくうえで、

人間と野生生物の関係が多様化し、

学会で議論する話題が

野生生物の保護だけでなく、

人と生物の間のさまざまな軋轢や

個体数のコントロール、外来種の問題など

広範囲にわたるようになったため、

「野生生物と社会」に名称変更されたそうです。

 

さて、

今回の「野生生物と社会」学会大会の副題は、

~南の島で生物文化多様性を考える~

でありました。

 

数々のテーマセッションの中から、例えば、

 

絶滅危惧種である

・西表島に生息するイリオモテヤマネコ

・沖縄本島北部「やんばるの森」に生息するヤンバルクイナ

・奄美大島・徳之島に生息するアマミノクロウサギ

 

(ご参考までの地図)

 

のロードキル問題。

 

希少な野生動物が交通事故によって

命を落としている問題です。

 

現状の主な事故防止策としては、以下4つが挙げられます。

 

・目撃情報が多いところに移動式看板(注意喚起)の設置

 

・側溝改良

※小動物が車道に出てこないようにU字型にしたり、
片側に勾配をつけたりしている

 

・アンダーパス(地下トンネル)の設置

※動物が道路を渡らずに反対側へいけるように

 

・歩道の除草作業
※運転手の見通しがよくなるように

 

また、
2005年に世界自然遺産に登録された知床(北海道)における

・知床における人間とヒグマとの関わり方

・知床五湖の利用の在り方

 

などに参加しました。

 

(もっといろいろなセッションに参加したかったのですが、
時間的に回りきれませんでした)

 

そして、
22日に行われた公開シンポジウムは、

『地域主体による野生生物の保全と持続的利用の主流化に向けて
-奄美・沖縄の生物文化多様性に根差した基盤づくりを考える-』

というテーマで行われ、

奄美大島
沖縄本島(やんばる)
西表島

の各島から参加されたパネリストによる

ディスカッションも行われました。

 

内容は長くなるので割愛させていただきますが、

 

「野生生物と社会」における

これらの問題を解決するには

本来のあるべき環境に戻すこと。

それが何よりでしょう。

 

しかし、西表島であれ、他の島・地域であれ、

解決の中心となるのはヒト、つまり人間であり、

絶滅危惧種の天然記念物が中心になることは

ありえない、と私は思います。

 

これから先10年、20年、30年・・・後を見据え、

環境省や学者などの研究者を始め、多くの人々が

野生生物・環境の保全、地域遺産・文化の継承など

について活発に議論されていることは

とても大切なことですし、有難いことでもあります。

 

ただ、やはり一番に先にくるべきは、

その島・地域に住む人間が

これからの島社会・地域社会の未来に対して

 

「どういう絵を描くか。描きたいのか」

 

ということだと思います。

 

それには、大なり小なり「地域」という単位での

活動が何よりも大切。そこが起点になるべきです。

 

私達LBカヤックのガイドは一年を通じて

西表島に住んでいます。

 

ここから培われる経験、島の人達の繋がりを活かし、

西表島の自然・生物に関するガイドに留まらず、

この非常に難解な問題を解決に導けていけたら

これ以上ない喜びです。

 

ガイド萩原、廣瀬(写真/文)

コメントは停止中です。