English
ツアーガイド採用情報→

エコツーリズムについて

L.B.カヤックが考えるエコツーリズム 〜環境・地域貢献について〜

エコツーリズムの概念は、

  1. 資源の持続なくして観光は成立せず
  2. 地域住民の参画なくして資源は守れず
  3. 経済効果なくして住民の参画は望めず

という3つの認識のうえに成り立ちます。

観光産業と自然保護、地域振興の歩み寄りと融合の形なのです。
すなわち「地域の自然・文化の保護と保全」、「地域固有の資源を生かした観光の設立と推進」、「地域経済の活性化」という3つの目的をバランス良く描くことがエコーツーリズムの理想です。
自然地域を閉ざして守るのではなく、あえて観光客を受け入れ、そこから得たお金を自然地域の保全に活用する。

バランスをとることの難しさ、継続的実践のハードルの高さはあっても、何もアクションしないよりはるかに価値があります。
放っておけば自然はどんどん壊れてしまうからです。

エコツアーとエコツーリズム

エコツアーにはさまざまな種類、サービスがありますが、すべてのエコツアーが前述の「エコツーリズム」という概念に基づいてサービスを提供しているわけではありません。

自然・生態系を対象とする観光、小人数によるガイド付きツアーなど、ツアーの形態は似ているものの、単なるビジネスとして自然を切り売りしているサービスも多くあります。

L.B.カヤックでは10年来、エコツーリズムを模索しながらその実践を継続しています。自然資源の保全や地域住民・産業と連携してサービスを提供していくことが大切なのです。

ecoimage2ecoimage3

エコツーリズム実践事例

<実践1/持ち帰り用のペットボトル>

L.B.カヤックでは以前から、お昼に八重山そばを提供しています。
このサービスを始めた当初、そばは好評でしたが残り汁が問題でした。
残った汁は持ち帰る術がなく草むらに捨てていたのですが、このことをツアー参加者に指摘されたのです。

衝撃的でした。
もちろん残飯は持ち帰りますが、水分を持ち帰ることまで考えが及ばなかったのです。

それ以来、適切な量を作るようにし、残った汁はペットボトルで持ち帰っています。
ところが不思議なことに、この持ち帰り容器を持つようになると、多くの参加者は食事を残さなくなりました。

容器のお陰で、ツアー主催者・参加者双方に意識改革が起きたのです。
この容器は、キャンプでも重要なギアのひとつになっていますが、ここで大事なのは、「気づき」があるかどうかということ。

下の写真は2泊のキャンプの残り汁です。
キャンプではスパゲティーなども作りますが、そのゆで汁も持ち帰るようにしています。
そして、持ち帰った汁は、庭のバナナの肥料になっています。

<そばの出汁について>

以前は、昼食の八重山そばの出汁は、市販されている出来合いのものを使用していました。
しかし、現在はフィールドでお湯を沸かし、出汁をとるところから始めています。
荷物も多くなり、準備に多少時間がかかりますが、せっかくのアウトドアの遊び。
食事の準備もひとつの楽しみだと思っていただけると幸いです。

出来合いの出汁もおいしいのですが、1回1回小分けになっている袋のゴミがでます。
また化学調味料の使用もあることに気がつきました。
そこで、少しでもゴミを減らしたいのと、化学調味料の使用を避ける目的で、手間をかけて出汁をとるようにしました。
化学調味料もおいしいのですが、味が不自然に濃いのです。

余談ですが、ガイドはシーズン期間中、毎日この八重山そばを食べています。
出来合いの出汁を使っていた頃はどうしても味に飽きてしまい、もう食べたくない…(笑)と思ったものです。
しかし、自分で出汁をとるようになってからは、飽きることがなくなりました。
できるだけ天然の素材を使い、優しい味を心がけるようになってからは、皆さまの汁の飲み残しも少なくなりました。

L.B.カヤックでは、ツアーで行く場所だけでなく、私たちの生活圏もフィールドだと考えています。
ツアーに赴くフィールドではもちろんのこと、準備、実生活の中でも、できるだけゴミを出さずに自然を傷つけないようにと考えております。

jissen1-1jissen1-2

<実践2/フィールドでのトイレ>

L.B.カヤックのキャンプツアーでは、簡易トイレをカヤックに入れ、使用後もそのまま持ち帰るというシステムを続けていました。
以前は参加者にシャベルで埋めてもらい、使用済みの紙はその場で火で燃やしてもらっていたのですが、埋める方式では限界もあり、フィールドが傷む可能性がありました。

そんなとき、アウトドア用品メーカーの社長さんから「アメリカのコロラド川は簡易トイレを持ち込まないと国立公園に立ち入り許可が下りない」という話を聞き、ヒントを得たのです。

日本アルプスでは、ハイマツと呼ばれる木の中がトイレとして利用されており、このことは長年問題になっていますが、未だ解決には至っていないようです。
そのため上高地の清流と言われる「梓川」は大腸菌が多く検出され、飲み水としては利用できません。

アウトドアブームの到来とともに、「どこでしたって平気」という感覚がまかりとおる時代もありましたが、“痕跡”を残さないキャンプは爽快です!
ちなみに、山登りの世界では用を足すことを「キジを撃つ」、「お花つみ」という言い方で第三者に知らせています。
しゃがむ格好が似ているからです。

<日帰りツアーのトイレについて>

現在キャンプツアーは行っておらず、トイレの問題は常に頭にあるのですが、日帰りツアーの中では、捨て紙を持ち帰るくらいしか、具体案が見出せていませんでした。
フィールドを管理する行政や機関にも対策はなく、人気スポットでは、夏場になるとトイレの臭いがすることが、毎年のように問題になっているのが現状です。

しかし、昨今のアウトドアブームのさなか、アウトドアの意識が高い参加者。
特に山ガールと呼ばれる参加者が増え、私たちのツアーにも参加いただけるようになりました。
最初は聞きづらい問題でしたが、自然とトイレの話題がでて、話しを聞く機会も増えました。
すると、ほとんどの方が自分で簡易トイレを用意しており、持ち帰ることが当たり前だという認識をしていたのです。

参加者の意識の高さに驚きました。
まさに目からうろこです。
同時に、ガイドとして自分の意識の低さも痛感しました。
そこで、2014年中の予定となりますが、L.B.カヤックのツアーでは、トイレお持ち帰り用に簡易トイレを用意することを考えています。
1人ひとつは、通常料金の中に含めるかたちで、ご用意します。2つめからは、有料になると思います。

簡易トイレの場合、ゼリー状に固めてトイレに流すタイプ。
不燃ゴミとしてゴミにだすタイプなど様々です。
また、竹富町では、ゴミ焼却施設がありませんので、ゴミを出すことは、ただの物質の移動となっているのが現状です。
石垣島では、ゴミは焼却、リサイクルされますので、石垣からの参加の場合、持ち帰りを求めなくてはなりません。
というように、自治体でゴミ処理方法も違いますので、問題はありますが、今後はトイレは残さず持ち帰る方針です。

ツアーに参加される皆さまへ。フィールドをきれいに持続可能に利用するため、ご協力をお願いします。

jissen2-1ハイマツの木

<実践3/ログマップ作り>

エコツアーは「難しい」というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
「解説」をよしとして、フィールドでよく喋っているガイドさんもいます。
しかし参加者は、自然を楽しみ、感じることで、日常のストレスから解放されたいと思っています。
そこには主催者側と参加者側に異なる思いが生まれているかもしれません。

L.B.カヤックのツアーでは、ガイドの解説が無いときもあります。
それは、そのときの状況に応じた対応がベストだと考えているからです。
2003年からは、「キャンプツアー」に限りログマップ作りを始めました。
参加者がフィールドで見たものや感じたものを「白地図」に情報として載せていくというものです。

このログマップは後日加工し、プレゼントしています。同じものは二つとしてなく、参加者の皆さんには旅の良い思い出になっているようです。

jissen3-1jissen3-2

<実践4/地域活動への参加>

L.B.カヤックが持つエコツーリズムの概念のひとつに「地域貢献」が挙げられます。
その地域の文化を知り、行事や活動に率先して参加することで、地域振興に協力できればと考えています。

2004年には、島の中学校PTA役員として環境整備部部長の役割を担い、炭焼き行事に従事しました。
船浦中学校が教育の一環として20年前から続けている催しで、子どもたちは炭が出来上がる工程はもちろん、自然の恩恵の中で生活が支えられていることの大切さを学びます。

皆と協力の末、前年度よりも多くの炭の収量を得ることができ、さらに短期間で見事に完売することができました。
また、船浦中学PTAのホームページを作成し、多くの人に炭焼き行事について知ってもらうことも、地域振興・貢献につながっています。

この他、ツアーのフィールド付近で行われる毎月の清掃活動や、青年会活動への参加など、地域に精力的に関わることが、その地域の活性化、ひいてはエコツーリズムの実践につながると考えています。

<エコツアーって何?>

よく参加された皆さまに「エコツアーって何が違うの?」と聞かれます。
定義はまだまだ浸透していない部分もありますが、エコツアーはエコーリズム(持続可能な自然資源の活用、地域振興、社会貢献など)を、提案し実践していることが、「エコツアー」の定義となります。
自然環境への配慮は、自然に関わる活動である以上、どなたさまも大なり小なり考えられているはずです。
またそうでなくてはいけないとも考えます。
その中でL.B.カヤックがもっとも大切しているいちばんの違いは、「地域に根ざしたガイド」であることです。

地域に根ざし生きるということが、行動を大きく変化させます。
自分が生活する場所ですので、環境をより良くしようと考えますし、生活の基盤である自然という観光資源を大切に考えます。
ガイドは青年会活動の中で、島人との関わりをもっています。
地域へ労働力として奉仕すること、地域の若い力に加わることで地域社会を活性化させることを、地域振興、社会貢献と考えるからです。
青年会活動は基本的には楽しいことが多いですが、時には厳しい活動もあります。
同世代の島人と苦楽をともにすることで、島での生活を共有しています。

都会から来た移住者である私たちの考えは、島に生まれ育った方からは、理解してもらえないこともあります。
移住者は往々にして、都会的生活を持ち込み、自分たちが住みやすいように移住者コミュニティをつくりがちです。
しかし、私たちは郷に入っては郷に従えと、地域コミュニティへの参加を積極的に行います。
お互いが何を想っているか。
地域活動によって歩み寄ることが大切だと考えています。